修士課程の入試前に、指導を受けたい教員と面談する必要性を以前のブログで述べましたが、そこで研究計画書を示すことや、研究計画書のような形式とは言わないまでも、どのような研究をしたいかを示す必要があります。
どのような研究をしたいかは、日々の看護実践から得られた疑問でよいと思います。2、3ある場合や山のようにある場合もあるかと思います。まずは、その疑問がすでに解決されているようなことかどうかを調べて確認する必要があります。誰かが研究して示したことを、修士課程での研究テーマにすることはできません。研究には「独自性(オリジナリティ)」が求められるからです。だからと言って、ノーベル賞級のオリジナリティが求められているわけではありません。身構える必要はありません。これに加えて、研究する意義を考えるためにも、文献検索は重要です。研究は自己の知的探求心の満足のみではなく、社会的貢献が求められます。特に、看護学や医療系では患者さんやその家族を対象とした研究をすることが多いため、その方たちにかかる負担の程度を十分に検討する必要があり、意義の少ない無駄な研究は倫理的に避けなければなりません。
1.文献を検索する手段
文献を検索するには、検索サイトを用います。よく使われるサイトとして、医中誌、PubMed、CINAHL、MEDLINE、ProQuest、Google Scholarなどがあります。勤務先の病院や病院に併設する大学の図書館などがこれらの検索サイトや雑誌などと契約している場合は、文献検索が効率的にできるかと思います。図書館がある場合は、在中する図書館司書に尋ねてもよいかと思います。看護学生時代に文献検索方法を習っている場合もありますので、当時の資料を読み返してみてください。
2.検索の仕方
検索するには、検索サイトでキーワードを入力します。GoogleやYahooで調べる時と同じです。例えば、肺がんの終末期の患者さんへの訪問看護師による看護実践に関心がある場合は、「肺がん 終末期 訪問看護師 看護」「lung cancer terminal care visit nurse nursing」などと入力します。また、医中誌では「原著」「看護」にチェックを入れるとよいと思います。手始めに、最近に出版された10論文くらいに目が通せるとよいかと思います。
今回は、ざっくりとした文献検索について説明しました。実際に、修士課程での文献検索は多数のことを検討しながら行っていきます。この点は、次回、説明していきます。